今日は『第14回数学カフェ「圏論」』の日です
Posted on July 2, 2016
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東大駒場に来てますのでメモを取ります。
圏論とは
- 圏論の父 S.Mac Lane
- arrowとdiagramで数学的体系の多くの性質を
- 可換図式
- 今日のテーマ: 位相幾何学とプログラミング
圏論の基礎 / 松森至宏さん
- 圏が初めての人向け
- 代数的位相幾何学の文脈から生まれた
- 自然変換を表現したかった
- 圏の定義
- \(Ob(C)\), \(Hom_c(,)\), \(\circ\)
- \(f : X \to Y\)
- \(\circ : Hom_C(Y, Z) \times Hom_C(X, Y) \to Hom_C(X, Z)\)
- \(1_X \in Hom_C(X, X)\) identity, \((h \circ g) \circ f = h \circ (f \circ g)\) composition
- \(f: X \to Y\), \(X\) domain, \(Y\) codomain
- これがwell-definedになるように \(Hom_C(X,Y) \cap Hom_C(X', Y') = \phi\)
- 例: \(Set\)
- \(Ob(Set)\) : 集合の集まり, \(Hom_{Set}(X, Y)\) XからYへの写像全体
- 例: \(cRing\) : 1を持つ可換環
- \(Ob(cRing)\) 1を持つ可換環, \(Hom_{cRing}(S,S)\) \(1\)を1に移す環準同型
- 環準同型の例 : 多項式環への代入写像
- 集合と集まりは違うもの? → 今日扱う圏は、小さい圏ということで
- \(F : C \to D\) 共変関手、反変関手
- \(F1_X = 1_{FX}\)
- \(F(g \circ f) = F g \circ F f\)
- 関手の例: 単位円
- \(A : cRing \to Set\)
- \(A : S \mapsto {(x, y) \in S^2 | x^2 + y^2 = 1}\)
- \(A : f \mapsto A f : (x, y) \mapsto (f(x), f(y))\)
- 関手を図形と思える例
- 関手の例: \(Hom_C(X, -)\)
- \(Y \mapsto Hom_C(X, Y)\)
- \(f \mapsto f_* = Hom_C(X, f) : \phi \mapsto f \circ \phi\)
- 「ここからは時間を気にせず、思う存分質問して下さい」
- 自然変換の定義 : \(\alpha : F \to G\)
- F : \({\alpha_X}_{X \in Ob(C)}\) \(\alpha_X : FX \to GX\)
- 可換になる
- \(\Rightarrow\) \(\dot \to\) とか使わない。 \(\to\) で。
- 共変関手の定義 \(D^C\)
- \(Ob(D^C)\) \(C\)から\(D\)への共変関手全体
- \(Hom_{D^C}\) 自然変換
- 例
- \(S \in Ob(cRing)\) について、 \(Hom{cRing}(S,)\) を \(Spec S\) と書く (Spectral)
- \(R = Z[x, y] / (x^2 + y^2 - 1)\)
- \(\alpha : Spec R \to A\)
- \(\alpha_S : \phi \to (\phi(x), \phi(y))\)
- \(\alpha_S\) は全部同型 \(Spec R \simeq A\)
- 表現可能関手 : 関手が \(Hom(...)\) と同型
- 米田の補題
- \(FX \simeq Hom_{Set^C}(Hom_C(X), F)\)
- 例:
- \(cRing, Q, A\)に適用
- \(AQ \simeq Hom_{Set^{cRing}}(SpecQ, A) \simeq Hom_{Set^{cRing}}(Spec Q, Spec R)\)
- 自然変換が有理点と思える。座標によらない (と感じた)
- Q). \((\frac{3}{5}, \frac{4}{5})\) は何に移る? A). \(\phi:(x, y) \mapsto (\frac{3}{5}, \frac{4}{5})\)
- ここから後半
- 直積の定義 : \(k : W \to X, l : W \to Y\) について \(h : W \to X \times Y\) がユニークに存在
- 同型を除いて一意に存在
- 例: Setでの
- 余積の定義
- ファイバー積(pull-back)の定義
- \(k : W \to X, l : W \to Y, f \circ k = g \circ l\) のとき、\(h : W \to X \times_Z Y\) が一意に存在
- 例: ベクトル束 : 「エックス、ワイ、ファイ・バー・プロダクト!」
- \(Z\) が1点だと、ファイバー積は直積になる
- ファイバー和(push-out)の定義
- 例: van Kampen の定義
- 極限の定義
- \(C, J\), \(F : J \to C\) \(lim F\)
- \(k_j : W \to F_j\), \(u : i \to j\), \(Fu \circ k_i = k_j\) のとき \(h : W \to Lim F\) が唯一存在
- 射影的極限(Projective limit)、逆極限(inverse limit)、などと言う
- 例: \(F : (1, 2) \to C\) 直積
- 例: \(F : (\to \leftarrow) \to C\) ファイバー積
- 例: \(F : N \to cRing, Fn = Z/p^nZ\) の時 \(Lim F = Z_p\)
- 余極限の定義: 帰納的極限、順極限
- 覚え方: \(Hom\)で書いた時の\(W\)の位置。極限を取ると小さくなる(←)イメージ
圏とHaskellの型 / Kinebuchi Tomohiko さん
- Haskellの型システムに出てくる圏論の概念
- 型 : 間違い検出、抽象化(1, 2, 3ではなく
Int
)、可読性、最適化 - Hask : 対象は型、射は一変数関数
- 対象 :
Integer
,String Maybe
,String
,[Integer]
- 数学の世界とHaskellの世界とdoble関数は似ている
- 関数は型?射? 圏論を使う意味は? 集合圏?
- 積 : tuple
- 余積 : Either
- 関手 :
Functor f
f
が型関数、map
が射関数fmap id == id
、fmap (f . g) == fmap f . fmap g
- 例:
Maybe
、[]
Just
はユニット?Just
は射なの?fmap
はなんでも拡張できるの? リストはベキ集合と思っていいの?Just
は無数に存在するの?- 自然変換 : 型変数に依存しない多相関数
- おしらせ「数学茶屋やります」「グッドマス」
Calculus of functor / simizt22 さん
- \(F : functor\) 位相空間の圏。 \(Top*\) 基点付き。\((X, f)\) から 同じ、またはSpectrumへの関手
- \(F : C \to D\) homotoy functor
- \(f\) weak homotopy equiv を \(Ff\) weak homotopy equv
- homotopy をlimit, colimit操作で保存するようにする
- \(F : C \to D\) k-excisive, polynomial functor of degree k について FX がhomotopy cocartesian
- cube : posetからTop
- Prop. \(F\) n-excisive, \(X\) strongy homotopy co-cartesian m-cube
- \(F(X \phi) \simeq ...\) ??
- 結論: Poset k。\(T_k\) は重ねられる。homotopy colimit が第k次近似になる。
- \(P_n F\) を重ねたもの。Taylor tower。Fのstable化したもの
- 微分とは? → \(P_k F \to P_{k-1} F\)
Fatgraphと圏 / 根上春さん
- ファットグラフ
- グラフの辺に順を入れる。方向を入れる
- リーマン面と相性がいい
- ファットグラフを圏に
- 対象: ファットグラフ、 \(\Gamma_0 \to \Gamma_1\)
- ツリー : 点の数が辺より1 個以上多い
- \(\Gamma_0 / F \semeq \Gamma_1\) \(F\) はツリー
- 曲面を構成するが、離散的な扱いができる
- タンパク質の立体構造をファットグラフに対応させるモデルがある。