Haskellによる並列・並行プログラミングの10.9
Posted on October 5, 2014
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公平性のある TMVar を実施しなさいというお題の回答を書いたので簡単に解説。
例えば putMVar ですでに値が入っているとき、キューに TVar を突っ込んでおいてそのままブロックし、 takeMVar によって値が空になったら起こして欲しい。が、書籍にも書いてあるとおり、 STM モナドではブロックは retry なので、ブロックするとキューに TVar を突っ込んだってこともトランザクションの破棄によって捨てられてしまう。
そこで、STMモナドではキューに突っ込むところまでやり、ブロックする処理は戻り値の IO アクションに任せることにするとうまくいく。以下の部分だ。
putTMVar :: Show a => TMVar a -> a -> STM.STM (IO ())
...(snip)...
Just _ -> do
t' <- STM.newTVar (Just a)
STM.writeTVar queue (qs ++ [t'])
return $ do
STM.atomically $ do
tvar <- STM.readTVar t'
case tvar of
Nothing -> return ()
Just _ -> STM.retry
return ()
t'をキューに突っ込んだ後は、ブロックするための IO モナドを作っている。この IO 値内で atomically + retry させることでブロックを実現している。
型が変わったせいで、利用側も若干めんどくさくなるが、原則 join で atomically の戻り値を潰すだけで問題ない。
join . STM.atomically $ putTMVar done 1
n1 <- join . STM.atomically $ takeTMVar done