読書メモ: 続微分積分読本
続 微分積分読本 -多変数-
小林 昭七
p.12 偏微分の存在と連続性
1変数関数の場合微分が存在すれば連続であると言えるが、2変数関数の場合微分ができるからと言って連続とは限らない。定理1によると、\(f_x(x, y)\)か\(f_y(x, y)\)のどちらかが有界であれば連続となる。
有界の条件は\(f_x(a, b + \Delta y)\)を抑えこむのに使うので、変数が増えると有界であるべき偏微分の個数は増える気がする(要出典)。
p.15 方向微分
\(\boldsymbol{v}\) の方向への微分を \((D_\boldsymbol{v}f)(a,b)\) で表す。
p.16 全微分
初めて腑に落ちる全微分の解説を見た気がする。全微分を以下のように4変数関数で定義する。
\[ df(x, y, \xi, \eta) = f_x(x, y) \xi + f_y(x,y) \eta \]
この定義の元で、以下が言える。
\[ \begin{align} dx(x, y, \xi, \eta) &= \xi \hspace{4em} \because f(x, y) = x の時 f_x(x, y) = 1, f_y(x, y) = 0 \\ dy(x, y, \xi, \eta) &= \eta \end{align} \]
これを用いて定義を書き直してさらに引数を省略すれば、よく見る以下の記法にたどり着く。
\[ df = f_x dx + f_y dy \]
積の全微分は、1変数の微分の積の公式から導出できる。
\[ \begin{align} d(fg) &= (fg)_x dx + (fg)_y dy \\ &= (f_x g + f g_x) dx + (f_y g + f g_y) dy \\ &= g (f_x dx + f_y dy) + f (g_x dx + g_y dy) \\ &= g\,df + f\,dg \end{align} \]